【Q&A】男の子の“おまた”の悩み…治療が必要?👦

「おちんちんのこと、停留精巣?包茎?ちょっと気になるけど誰に聞いたらいいのかわからない…」
そんなふうに感じているお父さん・お母さん、実はとっても多いんです。
健診のときに聞くタイミングがなかったり、「たぶん大丈夫かな?」と様子を見ていたり…。でも、おまたまわりのトラブルは、将来の健康や自己肯定感に関わることもあるからこそ、少しでも気になったら早めの相談がおすすめです✨
今回は、特にご相談の多い「停留精巣(ていりゅうせいそう)」「小児包茎(しょうにほうけい)」「鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)」について、Q&A形式でやさしく解説していきます!
Q.普通の小児科でもいいの?手術ができる診療科は大きな病院にしかないの?
手術が必要になる場合もあり、小児外科もしくは小児泌尿器科の診察が必要であり、通常の小児科では対応していない場合も多いです。また、手術を行う場合には大きな病院の受診が必要になります。
しかし、どの時期に受診すべきなのか、本当に大きな病院を受診するほどなのか?大きな病院は長い時間待って、ほんの少しの診察時間になってしまうのでは?と心配されている方は多いと思います。
そんな時はぜひ、はれにこキッズクリニックへお越しください。
専門医の資格を持った医師がお話をいたします。必要に応じて、治療方法の希望を確認の上、適切な提携医療機関へご紹介致します。
Q. 停留精巣って何ですか?どうして問題になるの?
停留精巣とは、精巣(睾丸)が陰嚢(いんのう:たまたまの袋)まで降りてこない状態のことを言います。
赤ちゃんの頃、精巣はお腹の中で作られ、出生前に下へと降りてきて陰嚢に収まるのが正常な発達です。でも、男の子のうち3~5%くらいでは、この「下降」が途中で止まり、精巣がお腹の中や足のつけ根(鼠径部)にとどまってしまうことがあります(Berkowitz, 1993)。
👀 見逃しがちですが、放置してしまうといくつかの大きなリスクがあるため注意が必要です。
🔍 停留精巣が問題となる理由:
🧬 不妊のリスク:体の中は温かすぎて、精子を作る能力が低下します(Pettersson et al., 2007)。
🧪 精巣がんのリスク:正常な位置にある精巣に比べて、4〜6倍のリスクがあると報告されています(Wood & Elder, 2009)。
🩺 鼠径ヘルニアの合併:後述する「鼠径ヘルニア」を合併しているケースが60~80%にも上ります(Hutson et al., 2015)。
💭 思春期の心理的な影響:見た目の違いが気になり、コンプレックスになるお子さんもいます。
Q. いつまでに治療すればいいの?

生後6か月頃までは自然に降りてくることもありますが、それ以降は下降する可能性が低くなります。そのため、1歳〜1歳半までに手術を行うのが一般的です(Nordenskjöld et al., 2018)。
⏰ 手術は日帰りまたは短期入院で可能です。時期が遅れると、将来の精子の質や数に影響が出ることがあるため、早めの対応が安心です。
Q. 鼠径ヘルニアって何?停留精巣と関係があるの?
鼠径(そけい)ヘルニアとは、お腹の中の腸などが、足のつけ根(鼠径部)から飛び出してしまう状態です。特に赤ちゃんや小さなお子さんは腹膜鞘状突起と呼ばれる構造物が残ってしまうことが原因で、男の子に多くみられる先天的な病気です。
🔗 停留精巣との関係:精巣が下に降りてくるための「通り道」がしっかり閉じていないと、精巣だけでなく腸なども一緒に降りてしまい、鼠径ヘルニアを起こします。停留精巣のお子さんの約6〜8割に合併することが知られています(Hutson et al., 2015)。
🔍 こんな症状はありませんか?
✅ 足のつけ根が膨らんでいる
✅ 泣いたり力んだ時だけ、ぽこっと出てくる
✅ 触るとやわらかく、押すと引っ込む
これらの症状がある場合は、なるべく早めの受診をおすすめします。特に、腸が締め付けられて血流が止まる「嵌頓(かんとん)ヘルニア」になると、緊急手術が必要になることもあるため注意が必要です。
Q. 小児包茎って病気なんですか?

実は、ほとんどの男の子は包茎の状態で生まれてきます。これは「生理的包茎」といって、自然な成長の一部です。3〜5歳ごろから徐々にむけ始め、10歳前後には多くのお子さんで自然に開いてきます。
Q. 治療が必要なのはどんなとき?
以下のような症状があるときは、「真性包茎」や感染のリスクがあり、治療が必要になることがあります。
🔍 こんな症状は注意サイン!
🚰 おしっこのときに先端がふくらむ(風船現象)
🔥 赤みや腫れ、痛みを繰り返す(包皮炎)
🦠 かゆみ・ただれ・強いにおいがある
💦 排尿がスムーズでない、回数が多すぎる
このような症状があると、尿路感染症や腎臓への影響が心配になることも。自然に治ると思って放置せず、専門的な診察を受けましょう。
Q. 健診では何も言われなかったけど、ほんとに大丈夫?
札幌市の健診では時間が限られているため、おまたまわりの詳しい診察が難しいこともあります。
「お母さんは経験がない」「お父さんも昔のことでよく覚えていない」…そんなご家庭がほとんどです😊
だからこそ、気になることが少しでもあれば、気軽に専門医に相談してみてくださいね。
🌟 まとめ:将来のために、今できることを!
✅ 停留精巣は3〜5%の男児に見られ、将来の不妊やがんのリスクも
✅ 鼠径ヘルニアは停留精巣と関係が深く、早期発見で安心
✅ 小児包茎は多くが自然に治るが、症状があれば治療のサイン
✅ 気になる症状は、見逃さず専門医にご相談を!
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私たちが、お子さんの健やかな成長を全力でサポートします😊
参考文献
- Berkowitz, G. S. (1993). Epidemiology of cryptorchidism. *Epidemiologic Reviews*, 15(2), 231–245.
- Pettersson, A., Richiardi, L., Nordenskjöld, A., Kaijser, M., & Akre, O. (2007). Age at surgery for undescended testis and risk of testicular cancer. *New England Journal of Medicine*, 356(18), 1835–1841.
- Wood, H. M., & Elder, J. S. (2009). Cryptorchidism and testicular cancer: Separating fact from fiction. *Journal of Urology*, 181(2), 452–461.
- Hutson, J. M., Li, R., Southwell, B. R., Petersen, B. L., Thorup, J., & Cortes, D. (2015). The regulation of testicular descent and the effects of cryptorchidism. *Endocrine Reviews*, 36(5), 564–588.
- Tay, K. H., et al. (2017). Pediatric inguinal hernia: A review of the evidence. *Journal of Pediatric Surgery*, 52(1), 17–20.
- Nordenskjöld, A., et al. (2018). Timing of surgery for undescended testis: A systematic review. *Pediatrics*, 142(3), e20180653.