なぜ?最初はグリセリン浣腸?“クセ”にならない?

正しい便秘との向き合い方とは?
🏥 Q. なぜ、まずは浣腸なの?
A. 小児慢性便秘ガイドラインにも記載されていますが、薬物療法などの維持療法の前に詰まっている便💩を取り除くことが重要!だから、です。
それを行わずして、腸の運動を刺激するのは、扉が開いていない出口に一斉に人を誘導するようなものです。想像していただくとお腹が痛くなるイメージが湧くのではないでしょうか?また、整腸剤を投与する場合も、出口の詰まった下水管にいくら水がきれいになる薬を放り込んでも、汚水は改善しないと思いませんか?出口をしっかり確保することが最初の一歩なのです。
💡 Q. グリセリン浣腸は癖になるの?
A. 「グリセリン浣腸を使うとクセになってしまうのでは?」と心配する親御さんも多いかもしれません。でも、ご安心ください😊✨グリセリン浣腸に依存性のある成分は含まれていません。
グリセリン浣腸の主成分はグリセリンで、直腸をやさしく刺激して排便を促します💩。添加物としてベンザルコニウム塩化物が含まれていますが、これらの成分が依存性を引き起こすという科学的根拠はありません。
まだ腹直筋のパワーが十分ではないお子さんの場合も直腸内に溜まった便をスムーズに排泄するために、グリセリン浣腸の使用が有効です👌。ただし、毎日使用しないと排便できない状態が続く場合は、診断・治療の見直しが必要かもしれません。
💡 Q. 下剤にはどんな種類がありますか?
🌊 浸透圧性下剤(腸に水分を集めて柔らかくするタイプ)
- ラクツロース(モニラック、ラクツロースシロップ)
- マクロゴール製剤(モビコール、小児用モビコール)
- 酸化マグネシウム(マグミット、カマグ)
- グリセリン浣腸もこちら
👉 腸に水分を引き寄せて便を柔らかくし、自然な排便を促します💩✨。比較的安全で、長期間の使用にも向いています😊。
⚡ 刺激性下剤(腸を直接刺激して動かすタイプ)
- センナ・センノシド(プルゼニド、アローゼン)
- ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)
- ビサコジル(テレミンソフト、コーラック)
👉 腸を直接刺激して排便を促しますが、長期間使用すると腸が疲れてしまい「弛緩性便秘」になる可能性があります⚠️😰。使用は必要最小限にし、医師の指導を受けましょう👩⚕️✨。
⚠️ Q. 刺激性下剤は癖になるの?
A. センナやピコスルファートナトリウムなどの「刺激性下剤」は、長期間使用すると腸が薬の刺激に慣れてしまい、自然な排便がしにくくなる「依存」が生じることがあります😰。
「刺激性下剤」で無理に大蠕動を起こさせ続けると、大腸が疲れてしまい、腸管神経叢がダメージを受けて「弛緩性便秘」に移行し、下剤の効果が低下してしまうことも😢。そのため、刺激性下剤の使用は慎重に行い、医師の指導のもと適切に管理することが大切です👩⚕️✨。
お子様、特に男の子では力がついてきて、浣腸も嫌がって自宅での処置に苦労することがあります。
その時のために処置が比較的容易な刺激性下剤は温存しておきたいのです。
🩹 Q. お薬治療の前に勧められる綿棒浣腸はどうなの?安全なの?
A. 綿棒浣腸は何回も行うとお尻の穴がおかしくなるんじゃないか?と心配されるご家族の方も多いみたいですが大丈夫です。
綿棒浣腸は赤ちゃんや小さなお子さんの便秘に対して行う、最も自然な排便を促すために使用される方法です👶✨。
うんちがお尻の穴の近くに来た時の反応を綿棒で再現しているだけなので、1日4-5回行ったとしても、1日に4-5回のうんちが出ちゃう赤ちゃんのおしりへの負担と基本的には同じです。
方法はシンプルで、ベビーオイルやワセリンを塗った綿棒の先を肛門に軽く挿入し、優しく刺激を与えることで、排便反射を誘発します💩。この方法は先の説明の通り、直腸の生理的な反応を利用しているため、身体に負担が少なく安全性が高いとされています👌。
また、グリセリン浣腸のように薬剤を使用しないため、刺激性下剤のような依存性や腸への負担のリスクがなく、安心して使用できます😊。
以下のような場合は、専門の先生の外来を受診することをおすすめします🚑💨。
- グリセリン浣腸を使っても排便が困難💦
- 1週間以上便が出ない状態が続く⏳
- 便が硬く、痛がって排便を嫌がる😖
- 血便が出る🩸
- お腹が張って苦しそうにしている😣
🌟 まとめ
グリセリン浣腸は適切に使用すれば“クセ”になることはなく、便秘解消の手助けになります🌿刺激性下剤の長期使用は身体的な依存を引き起こす可能性があるため、注意が必要です⚠️。
お子さんの便秘でお悩みの際は、お気軽にご相談ください😊