🍎りんご病が流行中!子どもや妊婦が気をつけるべきポイントとは?

現在、北海道各地で「りんご病(伝染性紅斑)」の感染が拡大し、警報レベルに達しています。外来でもりんご病のお子さんを見ない日のほうが珍しいくらい状況です。全国的にも特に子どもを中心に患者数が増加しており、妊婦さんへの感染リスクも懸念されています。りんご病についてよくある6つの質問に答える形で解説していきます。お子さんの健康管理や感染予防にお役立てください。
🍎Q1. そもそも「りんご病」ってどんな病気?
りんご病(正式名称:伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによって引き起こされる感染症です。5〜10歳の小児に多く、春から初夏にかけて流行しやすい傾向があります。最大の特徴は、両頬がりんごのように赤くなる発疹です。このことから「りんご病」と呼ばれています。
😷Q2. 子どもがかかると、どんな症状が出ますか?
りんご病は、次のような2段階の症状が見られます。
◆ 初期(発疹前)
– 微熱、倦怠感、軽い咳や鼻水など、風邪に似た症状が現れます。
– この時期がもっとも感染力が強く、周囲への感染リスクが高くなります。
そういうわけでこの時期に気づいて予防することが難しいため、施設で発症者が出た時点で、別の項で説明するような予防をしっかり行いましょう。
◆ 数日後(発疹期)
– 両頬が赤くなり、りんごのような発疹が出ます。
– 腕や足にレース状・網目状の赤い発疹が広がることがあります(お腹や背中はきれいなことも多い)。
– かゆみを伴うこともあります。
頬の所見に注目しがちですが、迷ったら腕の皮疹がないか確認してみましょう。特に二の腕や太もも、膝裏など、衣類でこすれやすい場所に出やすいです。発疹が出るころには感染力はほとんどなくなっているため、症状が軽ければ登園・登校が可能とされていますが、通園・通学している施設に確認を取りましょう。
🧒Q3. 子どもに合併症や重症化はありますか?
通常は自然に治る病気ですが、次のようなお子さんは注意が必要です。
・溶血性貧血、鎌状赤血球症などの血液の持病がある
・ 免疫機能が低下している(抗がん剤治療中など)
これらの背景があると、急激な貧血や高熱、全身倦怠感が見られることがあり、医療的対応が必要になるケースがあります。また、発疹が引いたあとに関節痛やかゆみが続くこともありますが、これらの症状は多くの場合数日〜1週間でおさまります。
🏫Q4. 保育園や学校にはいつから行っていいの?
りんご病は、発疹が出た段階では感染力が下がっているため、学校保健安全法では出席停止の対象ではありません。ということで、学校が特に制限を行っていなければ運動会の参加も問題ありません。
ただし、以下の場合は登園・登校を控えてください。
・高熱がある 倦怠感が強い
・食欲がない
・医師から登園・登校を控えるように指示された
症状の程度や体調に応じて判断しましょう。不安な場合はご相談ください。
💡Q5. 家庭でできる予防法はありますか?
りんご病には特効薬やワクチンがありません。そのため、日常生活での予防が大切です。 帰宅後の手洗い・うがいを徹底する
- 咳エチケット(マスク、肘で口を覆うなど)を守る
- 室内の換気をこまめに行う タオルや食器などの共有を避ける
兄弟間や家庭内での感染が多いため、家族全員で対策を心がけましょう。南区は一家族のお子さんの数が多いので注意してください。
🤰Q6. 妊婦や家族にうつったらどうなるの?
りんご病は大人にもうつる感染症で、特に妊婦が感染した場合には胎児への影響が懸念されます。
◆ 妊婦が感染した場合のリスク
胎児の貧血や胎児水腫 心不全や流産・死産の可能性(特に妊娠20週未満)
◆ 妊婦の感染予防
・子どもが集まる場所(保育園・学校など)をなるべく避ける
・手洗い・うがいをこまめに行う
・家庭内で感染が疑われる場合は、距離を取るように心がける
◆ 感染が疑われたときの対処法
・まずはかかりつけの産婦人科に電話で相談する
・血液検査(ヒトパルボウイルスB19抗体検査)を受ける
・感染が確認された場合は、胎児の超音波モニタリングを定期的に受ける
感染しても、すべてのケースで胎児に異常が出るわけではありません。かかりつけ医師の指導のもとで冷静に対応しましょう。
🏥 はれにこキッズクリニックからのご案内
りんご病が疑われる症状がある場合は、無理せず小児科を受診してください。
以下のようなケースでは、特に早めの受診をおすすめします。
- 高熱が続いている
- 全身のだるさや食欲不振が強い
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