経鼻インフルエンザワクチン:フルミストのお問い合わせが多く寄せられています。
フルミストについての相談が多く寄せられております。
これまでの質問を踏まえてコラムの内容を改訂しましたので、こちらでも掲載します。
鼻腔内に噴霧するタイプの経鼻弱毒生インフルエンザワクチンです。従来の注射型ワクチンとは異なり、痛みを伴わず、鼻粘膜から免疫を誘導する特徴があります。フルミストは高額という印象がありますが、2回接種が推奨されるお子さまでは、以下の特徴から検討の余地があると考えています。
特徴と効果:
- 痛みゼロでスムーズな接種
- 専用の器具を使って左右の鼻腔に0.1mlずつ、合計0.2mlのワクチン液を注入します。鼻粘膜を通して分泌型IgA抗体を含む粘膜免疫を強化し、インフルエンザウイルスの侵入を効果的に防ぎます。
- 1回接種で完了し、忙しい家庭に最適
- 効果の持続も注射によるワクチンより長い(1年程度有効)とされています。米国食品医薬品局(FDA)の資料では6-12ヶ月と考えられるとの記載に留まっています。
https://www.fda.gov/media/160349/download
- 効果の持続も注射によるワクチンより長い(1年程度有効)とされています。米国食品医薬品局(FDA)の資料では6-12ヶ月と考えられるとの記載に留まっています。
- 生ワクチンの効果により流行株が異なる場合も軽症化が期待
- 海外の研究では、小児において高い予防効果が報告されています。 例えば、5歳未満児の発病予防効果は、ワクチン株が一致した場合で89.2%、株が不一致でも79.2%とされています。 https://academic.oup.com/cid/article-abstract/39/7/920/494572?redirectedFrom=fulltext&login=false
接種対象と回数:
- 対象年齢: 日本では2歳から18歳までが対象です。
- 接種回数: 通常、1シーズンに1回の接種が推奨されています。 ただし、2~8歳でインフルエンザワクチンを1回も受けたことがない場合、1ヵ月間隔で2回接種が勧められています。
副反応と注意点:
- 一般的な副反応: 接種後に鼻水、鼻づまり、くしゃみ、頭痛、発熱などが報告されています。 これらは通常軽度で、数日以内に治まります。
- 接種が推奨されない場合: 妊娠中の方、免疫力が低下している方、特定の慢性疾患を持つ方、重度の卵アレルギーを持つ方などは、接種が適さない場合があります。 https://www.fda.gov/media/180697/download
海外での実績:
フルミストは、2003年に米国で初めて承認され、以降、約20年にわたり使用されています。2024年9月には、米国食品医薬品局(FDA)が自己または介護者による在宅での接種を承認し、利便性が向上しました。また、欧州でも広く使用されており、英国などでの接種実績があります。
接種料金(はれにこキッズクリニック)
- フルミスト:1回 9,000円(税込)
- 参考:注射型ワクチン:1回 3,300円(税込)、2回目も同価格
接種対象
- 2歳~18歳が対象です。入荷数が限られており、キャンセルはできません。
親御さんなどは対象外です。
持ち物
接種時には、母子手帳をご持参ください。
予診票をプリントアウトし、事前に記入してお持ちいただくとスムーズです。もちろん当院でその場で記入することも可能です。
副反応について
接種後、くしゃみ、鼻水、咳、喉の痛みなどの軽い症状が出ることがありますが、数日で収まります。まれに発熱や重篤な反応が見られる場合もありますので、心配な点は医師にご相談ください。
予約方法
WEB予約のみ対応しています。複数のお子さまの接種を希望される場合は、人数分の予約をお願いします。今年の冬は、安心で痛みのない「フルミスト」で、みんなが笑顔で過ごせるインフルエンザ対策をしましょう!
参考文献:
U.S. Food and Drug Administration. Package Insert – FluMist. October 2024. FDA
Belshe RB, Nichol KL, Black SB, et al. Safety, Efficacy, and Effectiveness of Live, Attenuated, Cold-Adapted Influenza Vaccine in an Indicated Population Aged 5–49 Years. Clin Infect Dis. 2004;39(7):920-927. Oxford Academic
U.S. Food and Drug Administration. FDA Approves Nasal Spray Influenza Vaccine for Self- or Caregiver-Administration. September 20, 2024. FDA